■在来軸組み工法の優秀性・長所17/18 気付いてみると、伝統的な在来工法の家は誇るに足る優秀な建築物だったのです
最後に同業者全体の宣伝をしておきましょう。
私は在来工法(木造軸組み工法)を信奉しています。信奉とは言いましたが素朴な意味での信仰ではありません。得失を見定めて言う事です。
在来工法とは日本古来の伝統的な建築法(のアレンジ)によるものですが、誤解を避けるために言うとデザインの和洋とは関係がなく、当然洋風OKです。
在来(木造軸組み)工法とは構造にかかわる言葉であって、デザインを指す言葉ではありません。
 伝統工法とは言えその工法は年々近代化しており、一般に建築基準法も災害があるごとに、より厳しい方向へ向かっています。
阪神大震災後も被害の反省に基づく改正がありました。
 近代化とは正直に言うと数多い改良点とすこしの退歩から成り立っています。
退歩とは十分な手間を掛け辛くなっていると言う事、昔に比べると簡便なやり方にせざるを得ない部分があります。
それを含んで尚、在来工法はその他の工法に比べて良い面を持っていると思うのです。
 実際の値打ちと比較した価格の安さ・その後の増改築のやりやすさ・設計のトータルな自由度・年を経た後の強度など、総合的に判断すれば在来工法に軍配が上がるのではないでしょうか。
 そして何より地震国日本で百年単位で立派に生き永らえている家は日本全国どこにでもありふれていて、在来工法のもつ耐久性の優秀さはそれらの家がこぞって証明してくれています。
 ただし、戦後の物資不足の頃から高度成長期を迎えるまでの苦しい期間に建てられた家の多くは残念ながら簡略に建てられており、在来工法の代表選手とは言えません。また現今、在来工法で建てる家ならどんなやり方でも他の工法より良いものが出来る、とは言えません、ごく当然ですが・・・。
 日本の気候風土に育まれた先人の知恵には捨てがたい良さがあり、現代的な間取りの中にその知恵を生かすのがベストな組み合わせだと思います。先進諸外国の緯度を考えた事がおありでしょうか、ほとんどは北海道あたりと同緯度です。梅雨もありません。
 言葉を変えて繰り返しますが、日本人の優れた知恵は長い建築の歴史によって育てられ、その知恵は又 日本の建築を磨いて来ているのです。
 とは言え、勿論プレハブ側も在来工法にない特定の長所を持っていますし、それが世間から支持もされています。然し私がもう一度自分の家を建てるとしても、私の知識を以って冷静に検討すると、長期間にわたる信頼性という点からやはり合板の使用を極力抑えた在来工法になるでしょう。
 自分の家族の健康と生命と財産を託すのに足る理想の建築素材として、30年以上掛けて成長した自然の樹木が持つ強さと柔軟性に勝るものはないと私自身が思うからこそ当社は在来工法で作り続けるのです。
 世の中に欠点の無いものはなく、むしろ長所と欠点は同時に同じ数だけ存在すると言えます。何にせよ「宣伝」とは長所をことさら大きく取り上げて注意をそちらへ向けさせて、その長所の裏側にある欠点に気づく心のゆとりを奪ってしまうという、TVで人気のマジック技法と共通した側面を本来的に持つものです。
 家を建てようとする時、どの工法を選ぶにしても目を引く長所に心を奪われ、広く客観的なものの見方を失いたくないものです。
 在来工法を選ぶにしても、工期が少し長くて職人の技術が求められる点への理解は必要ですし、在来軸組み工法以外を選ぶ方はその工法が持つ欠点も、利害関係者以外の公平な観点からの情報を基にして承知しておく必要があります。
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