■浴室10/18 思い切りわがまま、それが出来る気分のよい浴室
浴室のしつらえにこだわる顧客がおられますが、実際一日の疲れを癒す場として風呂は大きな役割を負っているので、それだけ工夫のし甲斐がある場所です。
広島で建築した住宅は南正面の瀬戸内海の眺望が良かったのでそれを浴室へ取り込むと同時に、浴室に面する南の庭からの目を防ぐ為に風呂場を60センチ余分に高く設置しました。こうして二階に風呂を設置する無理を避けながら十分な眺望を確保出来ました。
 ある家では<すのこ>の足触りを好まれ、風呂場床面積のうち<すのこ>を敷く部分だけその厚さに床を下げてフロアレベルを同一に合わせ、足が<すのこ>に引っかからないようにしました。
 また或る家では車椅子を浴槽に横付けする必要から便器も浴室内に設置して8畳の広さの浴室を作りました。天井裏には後日使うかもしれないリフトレールを想定してその為の桁を準備しました。
 更に別の家では風呂に入りながら夜空を見上げたいとのご希望で浴室上部屋根の1/3をガラス張りにしました。
 私の家の浴室は窓が道路から1m余りしか離れてはいませんが、低めの塀と生垣でプライバシーをおおむね確保した上で、通常より低い位置から大きめの素通しガラス窓にしました。その窓にブラインドを付けて羽根の角度を調節してやるとプライバシーは完全に確保出来た上で、夕方風呂に入ると夕焼け空を見上げながら湯を使う事が出来、制約の中ではありますがゆったりした気分になれてお気に入りの場所です。建築した当時には浴用ブラインドが製品化されていなかったので何年か後には交換を覚悟していました。
 浴室外部に敷地のゆとりがあれば坪庭を設置するのも大変良い方法です。最初から坪庭を望まれるなら、浴室を後退させてスペースを作って置きます。またこれからはバスコートと言って、浴室からドアを開けてそのまま外で涼めるデッキ付きのものがはやってくるでしょう。そよ風を受けながらデッキチェアに座ってゆっくりビールを傾ければ癒しの極致ではないでしょうか。勿論有効な目隠しは必要です。
 古いおうちで見かける事がありますが、外部からの目を気にし過ぎて窓を高く設置してあると壺の底で体を洗っているような気持ちになってしまいます。窓からは視線が侵入するという先入観を捨て、それに対する準備をしてやれば良いのです。

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